fullsizerender-62日、衆院内閣委員会では、いわゆる「カジノ法案」が強行採決されました。この法案は、刑法で犯罪とされている博打(ばくち)を合法化して、カジノ、会議場、宿泊施設等が一体となった統合型リゾート施設(IR)の整備を進めようとするものです。

これにより、「観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資する」とされていますが、カジノの収益は客の負け金です。大富豪でない限り、負けた客はその分支出を減らすか、借金をします。支出を減らせば、周辺地域の観光や経済にマイナスです。借金をすれば、心身の病気、家庭や仕事の崩壊、犯罪の増加、自己破産による生活保護の危険もあり、財政にもマイナスです。

しかも、こうしたマイナスの影響を防ぐための方策や、博打が合法となるための条件は、この法案が成立した後で政府が検討することとなっています。日本の観光、地域経済、財政にとって、カジノが吉と出るか凶と出るかは現時点でまったく分からず、「カジノ法案」を成立させること自体が博打のようなものです。こうした問題の多い法案を、たった6時間程度の審議で強行採決することについて、民進党はもとより与党の中でも反対する議員が出たのは当然です。

さらに、国が博打を合法化することで、若い世代が地道に努力を続けることの尊さや、額に汗して働くことの尊さを軽視するようにならないかが心配です。

学生時代、自分は人より特別な才能があったわけではありませんが、周囲の助けもあって目標に向かって地道な努力を続けた結果、東大野球部に入って神宮球場のマウンドに立つことができました。その野球部の先輩で現在監督を務めている浜田一志さんにお願いし、3日、私の郷里である雫石町と母校の盛岡一高において、野球をしている生徒さんやそのご父兄の皆さんなどに講演をして頂きました。

文武両道を自ら実践し、現在も学習塾を経営して生徒に文武両道を勧めている浜田さんのお話は大変興味深く、説得力に富むものでした。これまでの教育経験を踏まえ、文武両道を達成できる学生の特徴として、①努力を続ける才能を持っている、②時間を作るのがうまい、③負けることが嫌い、という3点を挙げ、天賦の才能は必要ないと述べていたのも印象的でした。

「博打」で一攫千金より、「地道」に大器晩成を目指す生き方を尊び、その価値観を未来に伝える政治家でありたいと思っています。