「口」は災いの元-予算委質疑

160210:予算委員会政治家にとって「口」は最大の武器ですが、時に「災いの元」となります。①行動を伴わず単なる売名行為に過ぎなかった、宮崎議員による「育休宣言」、②自己の所掌業務の怠慢を世に知らしめた、島尻北方大臣による歯舞諸島の「読み方知らず」、③福島の除染への無知と軽視を自白した、丸川環境大臣による「何の科学的根拠もない」発言など、口が災いを招いた事例が政府与党に相次いでいます。

ただし、これらの事例は、自らの言動が元となり、辞職や謝罪に追い込まれたという意味で「自業自得」です。政治家の「口」によって国民が災いを被るのであれば、より一層罪が重いと言わざるを得ません。10日の予算委員会の集中審議では、国民に災いをもたらす、閣僚の「口利き」、「口止め」、「口約束」が問題となりました。

「口利き」では、URへの口利き疑惑で辞任した甘利大臣に続き、遠藤五輪担当大臣にも、文科省や厚労省に口利きをし、金銭を得たという疑惑が浮上しています。事実だとすれば、公務の公正を害し、税の使い方を歪める点で、国民に災いをもたらす行為です。

「口止め」とは、政府に都合の悪い情報が広まらないよう、特定秘密を理由に情報公開を拒んだり、高市総務大臣のように、放送局に電波停止をちらつかせて権力批判を控えさせようとしたりすることです。国民の知る権利や、言論の自由を制限し、民主主義の基盤を壊すという意味で、国民に大きな災いをもたらす行為です。

この日私は、「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがない」という、政府が特定秘密を提供するための法律上の要件は、会計検査院が検査に必要な情報を求めた場合にも適用があるのか尋ねました。もし適用されるなら、政府の暴走を防ぐため「国の収入支出の決算は、すべて会計検査院が検査できる」とした憲法90条が骨抜きとなるからです。

担当の岩城法務大臣は、当初「適用がある」と答弁しましたが、会計検査院の見解との矛盾を私が指摘すると、「適用がない」と答弁を改め、審議が紛糾しました。ここで慌てた安倍首相が助け舟を出し、「法律上は適用があるけれども、運用上は情報が開示されないことは考えられない」との答弁。しかし、法律上適用があるのなら、政府の一存で情報が開示されないことも十分あり得るため、憲法90条違反の疑いは消えません。

そして、法律に基づかない安倍首相の「口約束」には何の保証もなく、守られるかどうかは時の権力者の意向次第です。憲法も「法の支配」も無視し、「人の支配」を進める安倍政権は、国民にとって取り返しのつかない災いをもたらす危険があります。