沈没を防ぐために-離党か残留か

26日、衆議院本会議で社会保障と税の一体改革関連法案の採決が行われ、私を含め民主党の多くの衆議院議員が反対票を投じました。合計8本の法案のうち、焦点の消費増税法案は、小沢さん、鳩山さんをはじめ、57名の議員が反対し、16名の議員が棄権しました。

6月中旬以降、この法案の取り扱いをめぐって党内で何度も会議が開かれました。これまでご報告してきたように、私は、会議の度に三党修正合意の問題点の解消や行政改革実行法案など増税法案の前にやるべきことを挙げ、「採決を急ぐべきではない」と発言してきました。これが受け入れられず採決に突き進んだ結果、党が割れ、民主党政権が一段と苦境に立たされる結果となってしまいました。

この結果を受け、28、29日の両日、小沢さんと輿石幹事長との間で会談が行われました。お二人だけの会談なので、何を話し合っているかは知る由もありません。ただし、小沢さんは党に留まる気がないなどと報道されていますが、それは誤りです。

本当にそうなら、そもそも会談など行う必要もないし、現に最善の方策は党に留まって本来の民主党を取り戻すことだ」とグループの会合などで明言しています。また、党に留まらなくてはならない強い理由も存在します。

第一に、最も本質的な理由ですが、ここで小沢さんが民主党を離れてしまっては、政権交代で確立しつつある「健全な二大政党政治」が遠のいてしまうことです。この20年近く、小沢さんは安泰与党の自民党を離れ、一人しか当選できない小選挙区制を導入し、自由党党首として民主党と合併し、ようやく3年前に悲願の政権交代を実現しました。

あえてこのようなイバラの道を歩まれたのは、英国のように主権者たる国民の意思で政権交代を実現できる健全な二大政党政治を実現しようとしたからにほかなりません。ここで小沢さんが民主党を離れた場合、今回の三党合意に見られるように、国民の意思を軽視して民主党と自民、公明党とが安易な妥協を繰り返す「大政翼賛会政治」に陥りかねません。

第二に、より現実的な理由として、小沢さんは、現在も被告人として控訴審を戦っているということが挙げられます。この裁判が今も行われていること自体、検察や裁判所のあり方として問題だと思います。ただし、仮に離党して野党の一議員に過ぎなくなった場合、これまで以上に公平な裁判が行われにくくなることを危惧します。弁護士として西松事件以来、長きにわたって小沢さんが関係する裁判に関わってきた者として、少なくとも無罪が確定するまで与党に留まるべきだと考えます。

グループの中には民主党に留まったとしても展望が開けないという方々がいます。確かに、今の民主党は沈みかけているタイタニック号のようなものかもしれません。間近に見える離島(離党)を目指し、一早く救命ボートに乗りたくなる気持ちも分かります。ただ、本来の目的地には当分着けなくなる可能性もあります。私は、目的地を目指し、ぎりぎりまで沈没回避の努力をしたいと思います。そのためにも、小沢さんには残ってもらわなくてはなりません。