一本桜と岩手山

謹んで新年のご挨拶を申し上げますとともに、昨年の東日本大震災で被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
また、みなさまにおかれましては、常日頃、私の政治活動に暖かいご支援をたまわり、衷心より感謝申し上げます。

さて、あの震災を経験し、私は、普段当たり前と思っていた、便利な生活、豊かな食事、そして親しい人々の生命が、いかに脆く、失われ易いものであるかを痛感しました。

沿岸の被災地をはじめて訪ねた際は、想像を絶する被害の激しさ、大きさを見て、まさに「途方に暮れる」思いでした。

しかし、かけがえのない多くのものを失い、悲しみと虚しさを味わう中、感動や勇気をもらったことも多々ありました。

  • 津波が迫る中、捨て身で職責を全うした、消防団員、警察官、それに農協など職場に留まった方々
  • 年下の子を励まし助けながら、高台に避難し、全員無事だった小中学生
  • 震災直後に現地に入り、昼夜を分かたず遭難者の救助、がれきの除去にあたった医療チームや自衛隊員
  • 何もかも失い、不便な避難所生活を強いられながらも、穏やかに辛抱強く暮らしていた避難者の皆様
  • 国内に留まらず、全世界から膨大な救援物資や多額の義援金をお寄せくださった方々
  • 寒い中、泊る場所もないのに食糧持参で被災地に集まった大勢のボランティア

こうした素晴らしい方々の存在を知り、改めて日本という国、岩手という故郷に生まれ、育まれてきたことに感謝し、誇りに思いました。そして、先人が築き上げてきた日本と故郷を、今まで以上に素晴らしいものにしたいと思いました。

景気の低迷、人口の減少、財政の悪化、海外との競争。私たちを取り巻く環境は決して楽なものではありません。しかしながら、これまでも日本と岩手は数多くの危機を乗り越えてきました。

現に、国と被災地の密接な連携の下、仮設住宅や仮設店舗が立ち上がり、まちづくり計画も固まりつつあります。国会では、与野党の建設的な議論を経て、大規模な第三次補正予算と復興特区法など関連法案が成立しました。

暗い夜の後には明るい朝が来るように、危機の後には必ず好機が来るはずです。今回の危機で発揮された岩手の再起力をさらに高め、一刻も早い岩手の復興と日本の再生を実現すべく、今年も全力を挙げて国政に取り組んでまいります。

本年もご指導、ご鞭撻のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。