[videofile]http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=41431&media_type=wb&lang=j&spkid=21305&time=99:00:00.0[/videofile]国会版事業仕分けと行政刷新会議の提言型政策仕分けの双方に仕分け人として参加した。いずれも初の試みであり、実現に至るまで様々な苦労があったが、野田総理の目指す「仕分けの深化」にある程度貢献できたのではないか。その理由を以下に述べる。

①国会版事業仕分けについて

仕分けの舞台となった決算行政監視委員会は、衆議院に17ある常任委員会の中で最も地味で人気のない委員会の一つだった。ところが、仕分けを行った2日間は、立ち見が出るほど多数の傍聴者で、メディアにも頻繁に取り上げられた。

通常の1対1の質疑と異なり、仕分け人に選ばれた与野党の13人の議員は自由に発言できることにした。おかげで、各事業の疑問点の指摘や、政府側への提言が次々に飛び交い、新鮮かつ緊張感に溢れた議論となった。

仕分け結果も、与野党議員が党派を超えて問題意識を共有し、建設的な議論を重ねたため、意見が大きく割れることはなかった。行政のチェックという、国会本来の機能を高める契機になった。

②提言型政策仕分けについて

従来の仕分けは、個々の事業を対象とし、結論は事業廃止や予算○%削減など評決型だった。しかし、そもそも事業とは大きな政策テーマを実現するための1手段である。

「木を見て森を見ず」に陥らないためには、大元の「政策」も対象とし、今後の方向性を「提言」する仕分けも必要だ。

事業仕分けと異なり、分かりづらく切れ味に欠ける印象があるかもしれないが、「社会保障は効率化になじまない」、「科学技術は経済成長に貢献している」といったこれまでの「常識」にあえて踏み込み、公開の議論を通じて新たな常識を見出そうとした意義は大きい。

政治が「真価」を発揮し、行政が「進化」し続けるために、今後も仕分けの「深化」に取り組んでいきたい。