7日、衆議院議員になって初めて予算委員会での質疑に臨みました。総理をはじめ全閣僚出席、しかもNHKの全国中継で45分間。

審議を進めるために質疑時間を野党に譲ることが多い昨今、予算委員会に所属していない私にこのような機会が巡ってくるのは、まさに想定外。せっかくの機会なので、予算委員会を見て日頃考えていた以下の点を、実行に移しました。

① 「予算委員会」なので、予算のことを中心に取り上げるべき。
② 「全閣僚出席」なので、なるべく多くの閣僚に対し、国政課題を尋ねるべき。
③ 「全国中継」されるので、国民に伝えるにふさわしい内容を議論するべき。

①について。学生ボランティアやこれを養成するNPOを支援する予算措置、防潮堤再建の際に市町村が納得できる予算の配分方法、例年の何倍にものぼる予算を市町村が適切に執行するための国の手立て、予算の財源をなるべく増税によらないで調達する方法などについて尋ね、それぞれ前向きな答弁を得ました。

②について。上記の質問で中川文部科学大臣、前田国土交通大臣、平野復興担当大臣、安住財務大臣が答弁。さらに、がれきの県外処理受入れについて細野環境大臣、新たな「仕分け」の内容について蓮舫行政刷新担当大臣、国際リニアコライダー計画について古川科学技術担当大臣、再生可能エネルギーの固定価格買取り条件について枝野経済産業大臣に尋ねました。

なお、最後に自見金融担当大臣に二重ローン対策を問うたところ、委員長が「時間がない時に自見さんに聞いたら、時間が突破するよ」とご指摘。いつも答弁が長い自見大臣への、中井委員長ならではのユーモア溢れる皮肉に議場は大爆笑。

さて、最も重要な③。質疑の冒頭、私は、高田松原のキーホルダー、ボランティアが宿泊できるかわいキャンプ、避難者が集って作る復興ぞうきんといった盛岡に生まれた復興の芽を取り上げつつ、総理に対し、復興への決意を問いました。野田総理は、

そういう芽をしっかり育てながら、花を咲かせるのが私どもの仕事だ。野田政権の最大かつ最優先の仕事は復興である。…予算を執行していきながら、復興に向けて力強い動きが出るよう全力を尽くすことを改めて国民の皆様にお誓い申し上げる

と自身の言葉で力強く決意を述べました。

それから数日後の11日、野田総理は、「APEC首脳会合において、TPP交渉参加に向けて、関係国との協議に入る」と記者会見で発言。マスコミはその部分だけを取り上げて論評しますが、その後に総理は、次のように述べています。

私は日本という国を心から愛している。母の実家は農家で、母の背中の籠にゆられながら、のどかな農村で幼い日々を過ごした光景と土の匂いが、物心がつくかつかぬかの頃の私の記憶の原点にある。世界に誇る日本の医療制度、伝統文化、美しい農村。そうしたものは断固として守りぬき、分厚い中間層によって支えられる安定した社会の再構築を実現する決意

私は、TPP交渉参加より復興を優先すべきと考え、党内で慎重論を述べてきました。ここ数日で野田総理の決意を2回聞き、思いを共有できると感じました。総理がこの姿勢を貫く限り、被災地の復興も日本の再生も着実に進むはずです。