1日、福田首相は内閣改造に踏み切り、17閣僚中13名が交代し、自民党4役のうち3名が交代しました。このうち、自民党幹事長という党内ナンバー2の役職に麻生氏、経済財政担当大臣という内閣の基本方針を定める役職に与謝野氏を起用したことは矛盾をはらんでいます。

 麻生氏は、昨年の総裁選挙で福田首相と争っています。世論調査を見ても福田氏より麻生氏の方が人気が高く、国会の指名という民主的な手続きを経ていない麻生氏が事実上の首相となってしまうおそれがあります。麻生氏に実権を与えるのであれば福田首相は潔く辞任すべきです。

 また、与謝野氏は増税による財政再建を主張しており、増税せず規制緩和による経済成長で財政再建を目指していた小泉改革とは方針が異なります。しかし、現在の自民党の多数の議席は小泉首相の方針に与えられたものであり、方針を変えるのであれば衆議院を解散して総選挙で民意を問う必要があります。

 そもそも参議院で問責決議を受けた首相が内閣改造を行うのも前代未聞です。福田首相は、解散総選挙を行って、自分が内閣を改造する資格があるかどうか国民に問うべきでした。