3日、文化の日恒例の民主党岩手県連主催の街頭演説会が開かれました。主浜りょう参議院議員や次期統一地方選挙の候補予定者と共に、私も演説を行いました。内容は以下の通りです。


みなさん、こんにちは。ただいまご紹介頂きました階猛です。本日は、ここ盛岡駅前にたくさんの方にお集まり頂き本当にありがとうございます。

さて、早いもので政権交代から1年2ヶ月が経ちました。この間、私も政権与党の一員としていろいろな経験をさせていただきました。総務大臣政務官として、独立行政法人改革、新規採用の4割削減、天下りあっせんの廃止、行政活動の監視・救済システムの強化などに取り組みました。また、本来であれば所管外の公務員制度改革も、特命を受けて担当しました。

私の任務を一言でいえば、官僚主導の仕組みを改めることでした。中央官僚から見れば権限と財源の縮小につながり、不利益、不都合な仕事であることは言うまでもありません。その一方、この仕事を進めるためには官僚の力を借りなければならないという矛盾がありました。

官僚に頼り過ぎると骨抜きにされ、官僚を無視して進めると抵抗に遭います。やっとの思いで閣議決定した法案は野党の反対でなかなか成立せず、様々な改革を実行してもマスコミからは不十分だと酷評されました。

有名な社会学者であるマックス・ウェーバーは、「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわじわと穴をくり貫いていく作業である」と述べましたが、まさにその通りです。情熱が失われれば政治は続かず、判断力が欠ければ政治は意味のないものになります。二つ揃ってようやく少しずつ先に進むのが政治なのだと実感しました。

ところで、我々民主党の政権は、日本では不可能と思われていた政権交代が実現した結果、劇的に誕生しました。しかしこれまでは、劇的に誕生した政権だからこそ、一刻も早く劇的な成果を挙げなくてはならないという思いが強過ぎたのではないでしょうか。

成果を焦るあまり、新しいことに次々と手を出し、ちょっと障害にぶつかると情熱を失い、判断力を欠くのでは何も成し遂げられません。政治は劇的な成果をすぐに挙げられるほど単純なものではないからです。

しかし他方で、どんなに到達困難な目標でも情熱と判断力を持ち続けることでじわじわと前に進み、いつか必ず目標に到達することができると信じています。その証拠はちゃんと存在します。小沢元代表をはじめ、岩手の力が原動力となった政権交代がそれです。

私は、政務官を退いた後も、これまで取り組んできた改革に一国会議員として関わっています。事業仕分けによる行政活動の改善や官僚組織の一部である検察の改革にも着手しましたが、これらの仕事もこれまでやってきたことの延長線上にあります。その意味で、官僚主導の仕組みを改めるという目標にじわじわと近づいている実感があります。

これからも私にとって最大限の情熱と最善の判断力を駆使しつつ、霞ヶ関の中央官僚が権限と財源を欲しいままにしてきた官僚主導の仕組みを改めてまいります。そして、今日ここにいる同志と共に、生活の場である地域のため、生活の主体である国民のために、全身全霊をかけて「国民の生活が第一。」の政治を目指すことをお誓い申し上げます。

本日はご清聴頂き、誠にありがとうございました。