昨年の刑事訴訟法改正により、犯罪被害者やその遺族の方も刑事裁判に参加できることになりました。従来は、傍聴席で被告人の言動をだまって見ているしかなかった被害者が、法廷で検察官の隣に座り、証人尋問や被告人質問をしたり、求刑意見を述べたりすることができるようになったのです。
もっとも、被害者自身は通常裁判手続に明るくないため、弁護士の援助を受けたい場合があります。その際、被害者から請求があれば、裁判所は、その方の資力や犯罪被害による支出額を考慮した上で、国費で弁護士を選任する制度(国選被害者参加弁護士制度)を設ける法案が8日の衆議院本会議で全会一致で可決されました。

これまで被告人には国選弁護制度がありましたが、被害者は、刑事裁判手続からも弁護士支援からも疎外されていました。被告人の権利保護も重要ですが、それと同等の権利保護を被害者に保障しなければ、刑事裁判への国民の信頼は得られないと思います。その意味で、与野党一致の結論は当然のことですが、弁護士時代から被害者支援に取り組んできた私としては、嬉しい法案通過でした。