衆議院の予算委員会は、公文書管理担当の北村大臣が基本的な質問に答えられなかったり、安倍首相が質疑を終えた辻元代議士の背後から「意味のない質問だよ」とヤジを浴びせたり、政府側の不祥事によって度々審議が中断、中止されています。私の質問の機会も先送りになりました。

そもそも安倍首相は、憲法の定めによって、国民の代表である国会議員の監視を受け、説明責任を負う立場です。自分が国会議員を批判する立場にないことを分かっていません。

12日には、黒岩代議士が、安倍首相から根拠もなく「うそつき」呼ばわりされたことに対して謝罪を求めましたが、「そうであれば、私も黒岩議員に謝罪をしてほしい」「発言はすでに撤回している」と述べ、決して謝ろうとしませんでした。辻元代議士へのヤジについても、当初は自分を正当化するばかりで、まったく反省の色がありませんでした。

私も国会で何人もの閣僚に質問をしてきましたが、過ちを犯してもこれほど謝ろうとしない人物は見たことがありません。あの麻生財務大臣ですら、過ちを認めて謝ることはあります。「我々は野党と仕事をしているんじゃない、マーケットと仕事をしているんだ」という1月28日の予算委員会での発言について、私が「いくら何でも撤回して謝るべきだ」と同日の財務金融委員会で抗議したところ、「私の言い方が問題だというのなら、訂正しておわび申し上げます」と述べました。

安倍首相は、17日に開催予定の予算委員会の冒頭で辻元代議士へのヤジを謝罪する方向ですが、これ以上貴重な審議時間を浪費しないためにも、しっかりけじめをつけて欲しいと思います。さらに言えば、私も含めて多くの野党議員は、たとえ安倍首相に「意味のある質問」を投げかけても、ほとんどまともな答弁が返ってこない異常事態が続いています。

安倍首相は、質問と関係のないことを延々と述べたり、その場しのぎで意味不明なことを述べたり、他の閣僚に答弁させたりすることで、時間稼ぎを図っています。予算委員会の公正中立な運営に責任を持つべき棚橋委員長も、明らかにおかしな答弁であるのに聞き流し、閣僚が答えられなければ発言権のない官僚に答弁させるなど、安倍首相らの時間稼ぎに協力しています。

安倍首相をはじめとする閣僚が「意味ある答弁」をすることで、はじめて国会議員の質問は意味あるものになります。安倍首相は、自らとその周囲の「意味のない答弁」の数々により、貴重な国会質問が無意味になっていることを自覚し、ヤジの件と合わせて謝罪すべきです。