今年もお盆が近付いてきました。お盆は帰省ラッシュの時期でもあります。私も国会議員になる前は東京で仕事をし、この時期になると、幼い息子2人と妻の4人で雫石の実家に帰省していました。満員の新幹線で往復したことも何度かありました。

一番神経を使うのは車内で息子たちが騒いだり、ぐずったりした時です。周囲の乗客の苛立ちを肌で感じつつ、あやしたり、しかったり、謝ったり。片道2時間余りが途方もなく長く感じたのを思い出します。それでも当時は、今より子どもが多く、そういう状況に大人も寛大だった気がします。

現在は15歳未満の子どもより75歳以上の人口の方が多く、公共の場は「静かなのが当たり前」です。小さい子どもを抱える親御さんは、今ではもっと公共の場で辛い思いをしていることでしょう。少子化に歯止めをかけたいのなら、まずは小さな子どもの振舞いを暖かく見守り、のびのびと子育てができる社会にしていかなくてはなりません。

さて、お盆が終わると18日から盛岡市長選挙が行われます。現在三人が立候補を予定しており、25日の投票日まで激戦が予想されています。私は、前回選挙で初挑戦ながら5万票余りを集めて惜敗した「内舘しげる」氏を応援しています。

8日には、岩手県公会堂において、3回にわたり「内舘しげる」氏の大集会が開かれました。合計で1500名近くの方が参加し、会場は熱気に包まれました。私は2回目の会に参加しましたが、ゲストとして、28年にわたって道を踏み外しそうになった青少年に寄り添い、救ってきた「夜回り先生」こと水谷修先生が招かれていました。

その講演の最中、赤ちゃんの泣き声が響き、水谷先生の声が聞き取りづらくなる場面が幾度かありました。しかし、その後に壇上に上った内舘氏は、恐縮している親御さんに向かって「気にしなくていいんですよ」と優しく語りかけました。水谷先生を招いたことに加え、この姿勢から内舘氏の「子育て支援」への本気度を感じました。これは、前回の惜敗後、盛岡市全域で地道に活動してきた成果の一つなのでしょう。

「子育て支援」を含め、三人の候補予定者が掲げる政策には共通する部分が多いと報道等で言われています。しかし、中心市街地の衰退、公共交通の弱体化、東京への人口流出、商業売上高の減少、少子高齢化の進行といった盛岡市が抱える課題に立ち向かう本気度と、若さがもたらす行動力において、内舘氏は優れていると思います。私は、新時代にふさわしい、「新しい風」が盛岡に吹くことを強く期待します。