26日、第198回通常国会が閉会しました。会期末に安倍首相が衆議院解散を決断して衆参ダブル選挙になるとの噂もありましたが、結局見送られました。「老後2000万円不足」問題や「イージス・アショア」の調査ミス、トランプ大統領に翻弄される外交など、安倍政権に失態が続いたことが最大の理由でしょう。

そもそも任期の半分も終えていないのに、約700億の税金を使って解散総選挙を行う大義はありません。ダブル選挙の見送りは当然と言えますが、その反動で参院選の投票率が下がる懸念が出てきました。とくに岩手では、黄川田徹前代議士が野党統一候補にならなかったことで、「今回は投票に行かない」という声をよく耳にします。

しかし、有権者は参院選で、都道府県単位(一部に合区あり)の「選挙区」の投票権だけでなく、全国単位の「比例代表」の投票権も持っています。衆議院の比例代表と違い、候補者個人の名前で投票ができ、その数の多さが当落の決め手になるという特徴があります。

また、比例代表の候補は、全国的な組織の代表として出馬するのが一般的です。このような「組織内候補」は、それぞれの専門分野で豊富な知識と経験を持ち、参議院で活躍されています。私は現在無所属ですが、労働組合の中央組織「連合」の傘下にある、産業別組合の組織内候補の皆さんには、一人でも多く当選して頂きたいと思っています。

一方、今回の参院選では、立憲民主党の比例代表の候補として、岩手出身の中村起子(なかむらゆきこ)さんが出馬予定です。中村さんは、幼少時代を盛岡で過ごし、一橋大学商学部を卒業後、国際社会で活躍。自ら会社も設立し、経営してきました。

震災で被災した中小企業を支援する中で、故郷岩手の復興に貢献したいという強い思いから政治家を志願。これまで3年余り、私たちの活動を裏方として支えてきました。こちらは「組織内候補」ではなく、岩手の代表として国政で活動する「地域内候補」と言えます。

災害復興、人口流出、少子高齢化、財政難など岩手が抱える課題は全国のほとんどの地域が抱える課題でもあります。もっと岩手の声を国政に反映させるべきですが、一昨年の総選挙から、「一票の格差」を是正するとの理由で衆議院の議席が減らされました。

こうした状況を踏まえると、組織内候補と同じく、地域内候補も必要です。ぜひ「比例代表」の貴重な一票を無駄にしないよう、そして、皆さんの代表としてふさわしい人材を参議院に送って頂きますよう、心よりお願い申し上げます。