22日、半年にわたった第196回通常国会が終わりました。「働き方改革国会」と安倍首相が銘打った国会でしたが、その働き方改革法案に関するデータのねつ造に始まり、財務省の決裁文書改ざん、自衛隊海外派遣の日報隠蔽など、公文書に関する問題が次々に発覚した国会でした。

安倍首相のうそを裏付ける文書が存在した愛媛県の例やデータの改ざんなどでトップが相次いで辞任した民間企業の例を見るにつけ、現政権の文書管理の悪質さと無責任ぶりには呆れ果てます。しかも、政府の中途半端な再発防止策が公表されたのは、会期末の20日です。相前後して、参議院の定数6増法案や犯罪特区を作るカジノ法案も、野党が指摘した法案の欠陥を放置したまま、与党が数の力で成立させました。

「世論から批判を浴びる問題案件は会期末にまとめて片づければよい。そうすれば国会で追及されず、そのうち国民も忘れてくれるだろう」、そんな思惑が透けて見える、安倍政権の姑息な「風化戦略」です。このような政権が存在し続けることは憲法も予定していません。憲法上、行政権を行使する内閣は、国権の最高機関である国会に連帯責任を負うとされ、これほど不祥事が続けば、内閣は責任を取って総辞職するはずだからです。

憲法も想定していない現政権の「風化戦略」に対し、野党はどう立ち向かえばいいのか。一つの方法は、単に反対するだけでなく、「附帯決議」を行って法案の問題点と解決策を議事録に留め、法案成立後も国会が政府の活動を監視し続けることです。「働き方改革法案」や「カジノ法案」で国民民主党はこの方法を取りました。また、私自身も過去の附帯決議をもとに、国会での質問を行っています。

19日の震災復興特別委員会では、岩手などで工事費高騰により住宅再建が遅れていることを踏まえ、吉野復興大臣に対して被災者生活再建支援金の増額を求めました。これについては、平成19年の法改正の際、「法施行後4年をめどとして制度の見直しを行う」という附帯決議が行われており、これを実現するために私が中心となって野党共同で支援金の増額などを盛り込んだ法案を国会に提出しています。

吉野大臣は、「本当に大事な観点だというふうに思う。国と地方との財政的なバランスについてもこれから議論を重ねていかなければならない」と従来の復興大臣よりも前向きな姿勢を示しました。今なお全国で6万人以上が避難生活を送る東日本大震災の風化を防ぐためにも、安倍政権の「風化戦略」に対し、国会終了後も他の野党と協力して立ち向かっていきます。