財務省に続き防衛省でも、国会で「ない」とされた資料が見つかりました。昨年の2月、当時の稲田防衛大臣は、陸上自衛隊をイラクに派遣した際に部隊が作成した「日報」の提出を求められ、「確認したが見つからなかった」と答弁。しかし、それから1か月後には陸上自衛隊の中で発見されていました。

小野寺防衛大臣にその報告があったのは発見から1年以上経った先月末。しかもこの間に、南スーダンPKOの「日報」隠ぺいで稲田大臣らが辞任しています。そもそも憲法66条2項は、防衛大臣を含むすべての大臣が「文民」であることを求めています。政権を軍部が支配し、軍国主義に突き進んだ戦前の苦い教訓を踏まえ、「文民」(シビリアン)である大臣に、実力組織である自衛隊を「統制」(コントロール)させようという趣旨です。

しかし、この「文民統制」(シビリアン・コントロール)がきちんと機能するには、大臣に正しい情報が迅速に上がる仕組みが確立していなくてはなりません。昨年に続く「日報」の隠ぺいと放置は、日本の民主主義だけでなく平和主義も脅かす事件です。森友文書の改ざん問題と同様、与野党問わず真相解明と再発防止に取り組まなくてはなりません。

さて、岩手県民にとって「日報」と言えば「岩手日報」です。最近では岩手出身の大谷選手の活躍が連日紙面をにぎわせていますが、3日の復興特別委員会で、私は、3.11を「大切な人を想う日」にしようという「日報」の提案を取り上げました。

震災から7年が経ち、被災地以外の多くの国民にとって震災それ自体の記憶は風化しつつあります。しかし、家族や友人など大切な人と一緒に過ごす時間がいかに貴重かということは、震災ですべての国民が実感しています。ここに着目し、3.11を被災者だけでなく、すべての国民が「大切な人を想う日」として震災の風化を防ごうという岩手日報からの提案につき、前向きに考えてはどうかと吉野復興大臣に尋ねました。

福島出身の吉野大臣は、津波で親友を亡くした経験を述べつつ「私にとって3.11は友人を想う日に決めている」とのことでした。その一方、震災の風化を防ぐため、復興庁は「伝承施設の整備」、「風化防止イベント」などを既に行っているとし、「大切な人を想う日」の提案には「多様な論点があり、今後幅広い議論が必要」と慎重な立場でした。

復興庁の取り組みも無駄ではないでしょうが、風化を防ぐには国民一人ひとりが自分のこととして3.11を捉えるようにするべきです。こちらの「日報」も放置せず、引き続き復興庁に働きかけていきたいと思います。