11日、東日本大震災から7年となりました。あの当時、「甚大な被害を受けた被災地を復興するために、大規模な補正予算を速やかに通して事業に取りかかるべきだ」と仲間の議員らで主張しました。しかし、「財源がない」とブレーキをかけていたのが財務省でした。

結局、復興特別税を国民に課したり、国の遊休資産を売却したりすることで財源を確保し、大規模な補正予算が成立したのは秋も深まった頃でした。ことほどさように、緊急時にあっても国家財政の健全性を第一に考えるのが財務省です。しかし、安倍首相の夫人が名誉校長を務めていた森友学園への国有地払下げについては、まったく事情が異なります。

いとも簡単に特例扱いを認め、破格の安値で払い下げを行い、森友が経営破たんした後は塩漬けとなっています。国会での追及をかわすため、関係書類は廃棄し、国会では虚偽の答弁を行い、決裁書類は書き換えるありさまです。しかも、その中心人物は先日まで国税庁長官として、国民にうそ偽りのない確定申告を求める立場にありました。

民間企業でこれだけの事件が起きれば、顧客や株主の信用を失ってしまい、経営を根本的に改めなくては存続できません。現に昨年来、名だたる大企業が、決算の粉飾やデータの偽造などで組織再編やトップ辞任に追い込まれました。財務省も信用回復のため、国有財産を管理処分する理財局と税金を徴収する国税庁を切り離し、新たな組織にするべきです。

民主党政権時代、税と社会保険料を合わせて徴収する「歳入庁」の創設を検討しましたが、自公政権に代わりうやむやになりました。税も社会保険料も国家に強制的に徴収されるお金であり、個々の国民が総額でどれぐらい負担できるかを考える必要があります。そのためには、縦割り行政を改め、「歳入庁」が税と社会保険料を一元的に扱うのが適切です。財務省と国税庁への国民の信頼が失われた今、実現に向けて踏み出すべきです。

一方、復興予算を横断的に所管する「復興庁」は、当初の存続期限である2020年度末以降も存続する必要があります。8日、希望の党の玉木代表、民進党岩手県連の黄川田代表らと陸前高田市と大船渡市の復興状況を視察しました。とくに被害が大きかった陸前高田市では、土地のかさ上げ工事が今も大規模に進められています。最終的に完了するのは、2020年度末になるとのことでした。住宅や事業所が再建され、新たなまちづくりが進むのはその先になります。

復興庁には、財務省の不祥事を教訓とし、自らの使命を忘れず復興完遂まで責任を持って仕事をしてもらいたいと思います。