5日から7日にかけ、米国のトランプ大統領が来日。初日に安倍首相はゴルフ場で大統領を迎え、日本が誇る世界屈指のプロゴルファー、松山英樹選手をお供にプレーするなど、大変丁寧にもてなしました。翌日の首脳会談では、米国から大量の防衛装備の購入を求める大統領に対し、「米国からさらに購入していくことになるだろう」と応じるなど、安倍首相は、どちらが接待した側なのか分からないほど極めて謙虚な対応でした。

安倍首相は、「濃密に深い絆で結ばれている」と自ら評するほど親しい「お友達」であるトランプ大統領に対しては、どこまでも丁寧で謙虚です。しかし、自分に対抗する勢力にはまったく態度が変わります。

1日から始まった特別国会につき、政府与党は当初、何の審議もせずに8日間で終えようという方針でした。安倍首相は、今回の総選挙の前後を通じて「丁寧な説明」をし、「謙虚な姿勢」で国会に臨むと言っていたにもかかわらず、矛盾しています。

さすがにこの点は改められ、会期は12月9日までの39日間となりましたが、今度は与党の質疑時間の割合を大幅に増やせとの要求が上がりました。NHKで生中継される、総理が答弁に立つ予算委員会での与野党の質疑時間について、現在は与党と野党の質疑時間が概ね2対8の割合になっています。これは、民主党政権時代に当時野党であった自民党の要望も聴いた上で決まったものです。

そもそも国会質疑は、国民の代表である国会議員が政府の仕事が合法、適切、公平に行われているかなどをチェックするために行うものです。憲法の議院内閣制の下では、政府と与党は実質一体であり、とくに自民党議員は、総裁として選挙の公認権や人事権を持つ安倍首相に厳しい質問がしにくく、政府に対するチェック機能をまったく期待できません。

実際、過去の与党質疑を見ても、首相に対するお世辞や無駄話で貴重な質疑時間を空費するケースがよくありました。菅官房長官は先月30日の記者会見で「(質問時間が)議席数に応じるのは国民からすればもっともだ」と述べていますが、議院内閣制を理解していない暴論です。また、有権者の総数約1億人に対し、今回の総選挙で与党が得た比例票は約24%です。この結果と国会本来の役割を考慮すれば、現在の与党2、野党8の割合こそ「国民からすればもっともだ」と言えるでしょう。

今国会で、私は予算委員会の理事を拝命する予定です。安倍政権が「お友達」に対してだけでなく、国民に対して「丁寧」、「謙虚」となるよう、厳しく対峙していきます。