夏の甲子園に向け、全国各地で熱戦が続いています。30日は、西東京大会の決勝が行われ、全国注目の清宮選手を擁する早稲田実業が東海大菅生に敗れました。清宮選手は日本タイ記録となる高校通算107本のホームランを放つなど、準決勝までは「攻め」の中心としてチームを引っ張ってきました。

しかし、決勝では「守り」で失点につながるミスをするなど、残念ながら勝利に貢献できませんでした。対する東海大菅生は、過去3年連続で予選決勝敗戦の教訓を踏まえ、「攻め」と「守り」のバランスが良くとれ、早実より安定感がありました。お見事でした。

民進党も、「攻め」と「守り」のバランスが問われています。安倍政権を追及する「攻め」の中心として党を引っ張ってきた蓮舫代表が27日に突然の辞意を表明しました。野田幹事長が東京都議選敗北の責任をとって辞任した後、党のピンチを「守り」抜く自信を失ったようです。

その2日前の両院議員懇談会において、私は、蓮舫代表が続投することを前提に、「民進党が政権の受け皿になるために、まずは三つの壁を取り除く必要がある」という発言をしました。三つの壁とは、①野党連携に関する積極派と消極派の間の壁、②党所属の衆議院議員と参議院議員との間の壁、③党の執行部の側の議員とそれ以外の議員との間の壁です。

私は、

①理念も政策も異なる党と接近し過ぎ、政権批判以外の民進党の存在意義が乏しくなったことが都議選の惨敗を招いた、

②「共謀罪」法案や「カジノ」法案など重要法案で衆議院と参議院の協力が不十分だったため、廃案に追い込めなかったのが国民の民進党への失望を招いた、

③代表や幹事長など執行部の中心人物が執行部以外の議員と十分な意思疎通をしていなかったのが離党者の続出を招いた、

と考えています。

もちろん異論もあると思います。ただし大切なことは、危機的状況にある今の民進党を率いていく人物は、このような壁をなくす努力をしなければ、党を守れないということです。

その意味で、次の代表には、安倍政権を追及する「攻め」の力だけでなく、三つの壁を壊し、党が一枚岩となってピンチをしのぐ「守り」の力を高められる人物がふさわしいと思っています。