この度の九州北部の集中豪雨において、お亡くなりになられた方々に慎んでご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

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梅雨前線の活発化が大被害をもたらした日本と違い、約6年ぶりに訪ねたカザフスタン共和国は時に40度を上回る厳しい暑さが続きました。前回同様、超党派の国会議員からなる日本・カザフスタン友好議員連盟の事務局長として、会長の河村建夫代議士ら4名の国会議員と共に訪問したものです。現在同国では初めての万国博覧会が首都アスタナ市で開催されています。そして、今年は日本との国交樹立から25周年となります。

3日から7日まで3泊5日の日程で、万博見学をはじめ、ロシア直轄のバイコヌール市にある宇宙基地視察、旧都アルマティ市での日本人抑留者墓参を行い、各都市で上下両院の議長や首長など多数の重要人物と会談しました。各地で丁重な扱いを受け、現地マスコミでも大きく報じられました。私たちだけでなく、現地に進出した日本企業の方々もカザフスタン国民の対日感情の良さを感じるとのことでした。

改めてカザフスタン共和国の特徴を挙げると、同国は旧ソ連から独立した国で、海岸のない内陸国です。アジア地域の西端に位置し、東端に位置する日本の反対側です。国土の面積は日本の7倍ですが人口は7分の1で、国土の大半は未開発の平原です。

石油や天然ガスなどエネルギー資源に恵まれていますが、ものづくり産業は発達しておらず、経済規模は日本の30分の1以下です。日本とカザフスタンは、相手にないものを自分が持っているため、経済の面で連携を進めれば双方の利益になります。

一方、両国ともロシア、中国という大国と隣接し、日本は原爆、カザフスタンは核実験により過去に甚大な被害を受けた点で共通しています。両国は国連安全保障理事会の非常任理事国も務めています。国際平和の面で協調行動をとれば、双方のみならず国際社会にとっても利益となります。

近江商人の心得に「三方良し」という言葉があります。売り手、買い手、世間の「三方」が良くなる取引をしなくてはならない、という意味です。両国の外交強化は、「日本」、「カザフスタン」、「国際社会」の「三方良し」につながるのではないか、とかねがね思っていました。私がこの議員連盟に加わって7年ほどになりますが、今回の訪問を通じ、両国の関係は「三方良し」に着実に向かいつつあると確信しました。